スポンサーサイト

  • 2013.03.01 Friday
  • -
  • -
  • -
  • by スポンサードリンク

一定期間更新がないため広告を表示しています


VII-i 著作権保護の関連特許はどのような企業が出願しているか

 これまでは、法律制定と出願特許数の関連について検証してきた(検証1:権利保護を強める法律と保護系の特許検証2:権利保護を強める法律と利用系の特許検証3:コンテンツ・ビジネスの動向と関連特許)。
 最後となる4つ目の検証事項として、それらの特許はどのような企業/団体が出願しているのかを見ていく。特許の種類を、これまでにならって利用系特許技術を保護系とに分けて、それらの公開数の多い、2002年と2006年に焦点をあて、特許公開された企業を全件調査する。

〜2002年〜
 保護系特許技術の公開数は、2002年は541件。その内訳を調べて特徴的だったのは、国内大手家電機器メーカーからの出願が多いことである。2002年は全541件中388件で、実に72%が、大手国内家電機器メーカーからの特許出願である。それを円グラフで表したのが下記図表32。
表32
 図表32 2002年 保護系特許技術の出願者の内訳

 2002年の保護系特許技術の出願者の内訳と公開件数を見ると、
ソニー株式会社(101件)、日本ビクター株式会社(82件)、松下電器産業株式会社(52件)、株式会
社東芝(34件)、株式会社日立製作所(28件)、株式会社ケンウッド(25件)、パイオニア株式会社(14件)、シャープ株式会社(13件)、船井電機株式会社(12件)、日本電気株式会社(10件)、三洋電機株式会社(8件)、富士電機株式会社(5件)、三菱電機株式会社(4件)

と、ほぼ国内大手家電機器メーカーの独壇場である。

 なお、海外からの特許は、全体の約10%であり、国別に合算した内訳は、
米国(22件)、オランダ(17件)、韓国(10件)、フランス(2件)、フィンランド(2件)、イタリア(1件)
、オーストラリア(1件)
 となっている。

 企業として多いのは、オランダのコーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス(16件)、2番目が韓国の三星電子株式会社(4件)、そして3番目がそれぞれ3件ずつ公開している米国のインテル・コーポレーション、イーストマン コダック カンパニーそして、韓国のエルジー エレクトロニクス インコーポレーテッドである。

 残りの18%は国内の様々な企業からの出願である。そのうち個人からの出願は4件で、全体の0.7%となっている。

〜2006年〜
 2006年の保護系特許技術の公開数は411件。出願者の内訳は2002年と大きな違いはなく、411件中263件、64%が国内大手家電機器メーカーからの出願となっている。
 海外からの特許は72件と18%を占めており、国別で見ると、オランダ(24件)、韓国(21件)、米国(18件)、フランス(3件)、カナダ(2件)、オーストラリア、ドイツ、台湾、ドイツ(各1件)、となっている。
 国内のその他の企業からの出願は18%、うち個人からの出願はわずか1件、全体の0.7%である。

 次回は、利用系の特許技術出願者を検証する。

VII-ii 利用系特許はどのような出願者が出しているか


 さて、今回は利用系特許技術の出願者について見てみる。
 公開件数は、2002年は169件、2006年は140件である。国内大手家電機器メーカーからの出願は、2002年は68件と全体の40%、2006年は60件で全体の43%に留まっている。一方、国内大手家電機器メーカー以外の国内企業および個人からの出願が、59.2%と、全体の約6割近くにのぼっている。
 また、海外からの特許だが、利用系特許技術については、2002年には米国からの1件、2006年には米国からの2件しかなく、それぞれ全体の1%しかない 。
 これらをまとめた下記図表33を見ると、国内大手家電メーカーからの出願は40%、43%と、保護系特許技術の72%、64%と比べてと少ない比率になっており、さらに国内からの特許がほぼ全体を占めていることが図表33からもわかる。

表33
図表33 2002年 利用系特許技術の公開の内訳

 なお、利用系特許技術を出願した国内大手家電機器メーカーの企業名称を見ると、
〜2002年〜
松下電器産業株式会社(13件)、株式会社東芝(13件)、株式会社日立製作所(9件)、ソニー株式会社(8件)、日本電気株式会社(7件)、株式会社リ コー(6件)、日本ビクター株式会社(3件)、シャープ株式会社(3件)、三菱電機株式会社(3件)、三洋電機株式会社、パイオニア株式会社、富士電機株 式会社(各1件)。

〜2006年〜
松下電器産業株式会社(20件)、株式会社日立製作所(6件)、株式会社東芝(5件)、日本電気株式会社(5件)、ソニー株式会社(5件)、富士通株式会社(4件)、シャープ株式会社(3件)、三菱電機株式会社(3件)、船井電機株式会社(3件)、日本ビクター株式会社(2件)、株式会社リコー(2件)、パイオニア株式会社(1件)、株式会社ケンウッド(1件)

と、共に松下電器がトップを占めている。

VII-iii 著作権関連特許の出願者(2002年、2006年)

  2002年、2006年の著作権関連特許公開数を、数の多い順に一覧にした(図表34と35)。国内大手家電機器メーカーだけにしぼり、保護系特許技術と利用系特許技術に分けてある。

〜保護系特許技術公開数 国内大手家電メーカー〜
公開件数2002年 企業名公開件数2006年 企業名
101ソニー株式会社57ソニー株式会社
82日本ビクター株式会社53松下電器産業株式会社
52松下電機産業株式会社31株式会社東芝
34株式会社東芝26株式会社日立製作所
28株式会社日立製作所22パイオニア株式会社
25株式会社ケンウッド20船井電機株式会社
14パイオニア株式会社16日本ビクター株式会社
13シャープ株式会社13シャープ株式会社
12船井電機株式会社9富士通株式会社
10日本電気株式会社8三洋電機株式会社
8三洋電機株式会社4三菱電機株式会社
5富士電機株式会社2日本電気株式会社
4三菱電機株式会社1株式会社ケンウッド
  1富士電機株式会社株式会社
図表34 2002年、2006年の国内大手家電機器メーカーの保護系特許技術公開数

〜利用系技術(国内大手家電メーカー)〜
公開件数2002年 企業名公開件数2006年 企業名
13松下電器産業株式会社20松下電器産業株式会社
13株式会社東芝6株式会社日立製作所
9株式会社日立製作所5株式会社東芝
8ソニー株式会社5日本電気株式会社
7日本電気株式会社5ソニー株式会社
6株式会社リコー4富士通株式会社
3日本ビクター株式会社3シャープ株式会社
3シャープ株式会社3三菱電機株式会社
3三菱電機株式会社3船井電機株式会社
1三洋電機電気株式会社2日本ビクター株式会社
1パイオニア株式会社2株式会社リコー
1富士電機株式会社1パイオニア株式会社
  1株式会社ケンウッド
図表35 2002年、2006年の国内大手家電機器メーカーの利用系特許技術公開数

 次回は、大手家電メーカー以外の出願者について考察する。

VII-iv 著作権関連特許の出願者(大手家電メーカー以外)

 〜大手家電メーカー以外の出願〜
 一方で、国内大手家電機器メーカー以外の国内からの特許出願者は、2002年には59%、2006年も56%を占めている。この出願者を、下記に一覧にした。

2002年 利用系特許技術の出願数、出願者(大手電器メーカー以外)
13 日本電信電話株式会社
3 アルパイン株式会社
3 カシオ計算機株式会社
2 ヤフー株式会社
2 株式会社メガフュージョン
2 石田 和久
2 日本放送協会
2 ヤマハ株式会社
2 株式会社イー・エム・コーポレーション
1 吉岡 壱哲
1 株式会社アーテックコミュニケーション
1 株式会社アイティージェム
1 富士通アイソテック株式会社
1 株式会社フェイス
1 学校法人早稲田大学
1 株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント
1 辻田 佳告
1 株式会社ヴィップコーポレーション
1 有限会社ベストプランニング
1 エヌイーシービューテクノロジー株式会社
1 株式会社ひらけごまくらぶ
1 株式会社ネットワーク技術研究所
1 高木 徳哉
1 名古屋テレビ放送株式会社
1 東洋通信機株式会社
1 有限会社オファー設計事務所
1 キヤノン株式会社
1 株式会社日本ケーブルテレビジョン
1 株式会社シルバーチャンネル
1 三菱化学株式会社
1 株式会社エス・アール・ビー
1 株式会社ディ・エフ・エフ
1 小浦 善樹
1 株式会社シーグリーン
1 高橋 淳
1 株式会社アイネス
1 凸版印刷株式会社
1 松川 幸弘
1 株式会社マーケティング研究協会
1 富士ゼロックス株式会社
1 ケイディーディーアイ株式会社
1 サンキ・システムプロダクト株式会社
1 松原 和夫
1 イーディーコントライブ株式会社
1 株式会社メガチップス
1 株式会社兼藤
1 西田 彰邦
1 三井造船株式会社
1 嶋村 幸仁
1 エヌイーシーソフト株式会社
1 エフジェイ・ドットコム株式会社
1 有限会社コイケデザインコラボレーション
1 西日本電信電話株式会社
1 ネストウェブ株式会社
1 今井 靖雄
1 株式会社日本ケーブルテレビジョン
1 富士通テン株式会社
1 日立ソフトウェアエンジニアリング株式会社
1 株式会社テンヨー
1 大成建設株式会社
1 株式会社シー・エス・ケイ総合研究所
1 ネイブルリサーチ株式会社
1 株式会社デジタルアクト
1 丸井 智敬
1 原田 潔
1 上田 明
1 谷口 博茂
1 金澤 弘之
1 株式会社ニデック
1 有限会社インサイト
1 東京電力株式会社
1 エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
1 株式会社ミネボックス
1 株式会社第一興商
1 横河電機株式会社
1 安住 晴行
1 井畑 文明
1 株式会社トーカイ


2006年 利用系特許技術の出願数、出願者(大手 電器メーカー以外)
10 日本電信電話株式会社
3 住友電気工業株式会社
3 キャノン株式会社
2 マスプロ電工株式会社
2 藤原 喜将
2 カシオ計算機株式会社
1 マスプロ電工株式会社
1 株式会社デンソー
1 ブラザー工業株式会社
1 石原 純一
1 株式会社ケイティーエス
1 エヌイーシーシステムテクノロジー株式会社
1 株式会社コミュニケーションブリジ
1 株式会社ノヴァ
1 エヌアイ帝人商事株式会社
1 西日本電信電話株式会社
1 株式会社ドルチェ楽器
1 株式会社メガチップスシステムソリューションズ
1 株式会社アンカットテクノロジー
1 京セラ株式会社
1 株式会社リプロ・ネットワークス
1 有限会社ラルゴ
1 菅谷 俊二
1 株式会社テルヤ
1 海野 正見
1 露崎 美恵子
1 エスアイティ・データサービス株式会社
1 ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ株式会社
1 NECマグナスコミュニケーションズ株式会社
1 アップラン株式会社
1 林 少将
1 株式会社アーネット
1 富士ゼロックス株式会社
1 遠藤 晴實
1 株式会社ヤッパ
1 株式会社全テック・テクノロジー・ジャパン
1 株式会社三英堂商事
1 セイコーエプソン株式会社
1 株式会社Para.TV
1 独立行政法人情報通信研究機構
1 株式会社タムラ製作所
1 アルゼ株式会社
1 沖電気工業株式会社
1 株式会社ドワンゴ
1 エヌ・ティ・ティ・コムウェア株式会社
1 TDK株式会社
1 富士ゼロックス株式会社
1 株式会社タイトー
1 杉田 孝之
1 学校法人慶応義塾
1 東芝エレベータ株式会社
1 株式会社日立コミュニケーションテクノロジー
1 キヤノンソフトウェア株式会社
1 ユニテック・リサーチ株式会社
1 株式会社東京放送
1 山中 利之
1 株式会社ディーシーアイ
1 国立大学法人広島大学
1 エイリツ電子産業株式会社
1 馬場 信光
1 株式会社アジア海援隊
1 有限会社メインステージ


 この一覧からわかるのは、特許を複数出願しているのは、2002年で9社、2006年では、6社のみであり、残りはすべて1件ずつの公開数となっている。出願者も、日本電信電話株式会社、ヤフー株式会社、株式会社シルバーチャンネル、東京電力株式会社、大成建設株式会社、凸版印刷株式会社、三井造船株式会社、アルゼ株式会社、学校法人慶応義塾などと、多種多様な産業からの出願があり、個人からの出願も、2002年には全体の11%、2006年には全体の7%を占めている。その特許内内容を調べると、学習、広告、車搭載、遠隔旅行システム、塾、結婚式、視聴率、講演システム、バーチャルレストラン、手品、介護システムとその内容も様々である。

 これは保護系特許技術が明確に保護という目的を持っていることに比べて、利用系特許技術というのはそもそも多様なものであり、その結果、多くの新しい利用方法を思いついた新しいプレーヤーが参入してきているためと考えられる。
 また、利用系特許技術において海外からの特許が少ないのは、そもそも利用方法とはその国の生活慣習やビジネスの状況に依存するので、保護系特許技術に比べると海外からの参入が難しいと考えることができるかもしれない。

VII-v まとめ 〜著作権関連特許の出願者

 以上、著作権保護系の特許技術、利用系の特許技術は、どのような出願者が出しているのかについて検証してきた。
 数から明らかに見て取れるのは、国内大手家電機器メーカーの占める高い割合である。日本における保護系特許技術は、その7割程度を占めている国内大手家電機器メーカーと非常に強い関係性がある。

 一方、利用系特許技術は、その6割近くが多種多様な、国内大手家電機器メーカーではない国内の企業や個人と強い関係性がある。
 そもそも公開される特許技術は新規性、進歩性があると考えられるので、特許数の増加はイノベーション増加のひとつの指標でもあるといえるだろう。そうした視点で見ると、保護系特許技術の増加は、主には大手家電機器メーカーのイノベーションを促進しているということが出来る。
 そして、以上のデータから、利用系特許技術の増加とは、幅広い産業にわたるイノベーションを促進しているということができるのではないだろうか。

サイト内検索(知りたい単語を入れてください <例>フェアユースetc.)
目次
calendar
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930    
<< April 2019 >>
profile
selected entries
archives
recent comment
おススメの一冊
著作権法
著作権法 (JUGEMレビュー »)
中山 信弘
著作権全般の網羅性もあり、最近の著作権と技術との葛藤にも、きちんと向き合っている良書です。
重要外部リンク
sponsored links
others
mobile
qrcode
powered
無料ブログ作成サービス JUGEM